こっちに来てから初めてスリというものにあった。住まいから30キロほど離れたプルペリーという町での聞き取り調査に行く途中のバスで携帯を盗まれたのだ。ちょうど、通学ラッシュに重なり、うちから一番近いバス停から高校のあるバス停まで恐ろしく混雑していた。高校をすぎると今度は、いきなりがらり、としたので席に座る。ふっと、あ、携帯どこだ?と思っていつも入れているリュックの横ポケットに手を入れるがない。あいこち探してもない。あの混雑のなか、がきんちょに盗られたのだ!幸い、30ルピーぐらいしかチャージは入れていなかったが、むかついてきた。警察に届けようかとも思ったが、どうせ散々待たされた揚句、盗難届一枚を作ってくれるだけで、余計腹が立ちそうなのでやめた。ケーララに慣れ過ぎたせいで、気を抜いていた。知らない人が多いところに行く時は注意しなくてはならない。
盗難に腹を立てているさ中、調査自体はなぜか順調に進んでいる。2005年からこの村に入りはじめて、4年。これまでは、基礎調査のあとは暮らしの中からヒントやら疑問を見つけては、聞きまわる、といった行き当たりばったり調査だった。(調査というより、なんでもかんでも、これどーして?これなーに?と聞く、5歳ぐらいの子供)はっきり言って、それが研究とどう関係あるのか、ほとんど分からなかった。というより、関係ないと思うほどに、案外夢中になって聞きまわった。(ピークは、初潮の儀礼か?あれはほんと見せてもらってよかった。)
で、今回は、聞く事項を箇条書きにして、それをできるところから潰していくというやり方。聞くことが決まっているから、要は、誰に聞けばいいかさえわかればいい感じだ。12項目ほど用意したが、半分ぐらいはもう潰せたか、足がかりがつかめた感じだ。今のところ、今回は無理っぽいのは一項目だろうか。昨日は、パンチャヤートの作物別収量のデータ(10年間が欲しかったが、3年間しかなかった)とINFAMの有機農業市場の動向などを探れた。昨日は、1990年代後半の農民危機の社会史についての聞き取り(←これは4章の中心的な話題になるから、ラッキー!)が取れた。とまあ、順調だが、暮らしから離れているので、つまらないといったらつまらない。どっぷりつかるという調査は、博論を終えたらもうできないのだろうか?でも、それじゃあ、退屈だろうから、今回はこんな感じで一区切りつけて、次にむけて浸かり型の調査テーマを探そう。
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