2009年5月24日日曜日

ご近所さんの死


昨日の朝型、イギリス在中の韓国人の友人からスカイプで連絡を受けた。
韓国、前大統領のノムヒョンが自殺をしたという(後で調べたら自殺かどうかは断定できていない。ただし、遺書があったのでその線が濃厚のようだ)
これは頭をガツンと殴られたような気持ちになった。

彼が、大統領に就任した2002年の12月、私もソウルに住んでいた。しかも、彼のソウルの自宅のすぐ近く。貧乏から苦学して弁護士になり、人権派弁護士として体制批判。それがついに大統領!
早々に当選が決まった夜、近所では花火やら何やら盛り上がり、韓国の政治の夜明け(キムデジュンからかもしれないけど)に興奮を覚えた。韓国人でもなければ、むろん、選挙権はないが。

そのあと、ノムヒョン大統領は意外にもちょこちょこ私の生活にもかかわってきた。
というのも、当時一緒に住んでいた人が、これまた社会運動家(というと、怒られる)。
ノムヒョン大統領は、日本の外務省がやっているタウンミーティングなんていう形だけの、パフォーマンスでなく、政策意思決定に市民運動関係の人を積極的に参加させ、自分もそのミーティングに参加した。大統領会議に参加することになった友人は、なぜか(本人が言っているだけかもしれないが)大統領の目にとまったらしく、徐々にエネルギー制作部門の政策の中枢に入って行った。

難しいエネルギー政策の技術論やポリティックスは、私とはあまり関係ないが、
それを境に、家に大統領名で、お中元やらお歳暮やらが届くようになったのだ。

ある時、私だけが家にいて、郵便配達の人に適当にサインして荷物を受け取った。
うちは、ボロボロのアパートで、家具などはほとんど友人とごみ収集所から奪ってきたモノ。
明らかに貧しい暮らしぶりに、郵便配達のおじさんも少し怪訝な顔で荷物を渡してくれた。
その荷物というのが、すごい高そうな木箱。そして、木箱の真ん中に達筆のハングルで、
「大韓民国 大統領ノムヒョン贈呈」と書いている。
はて?ちょっと、興奮して、勝手に中を開けると、高麗人参と高麗人参酒が美しく並んでいた。
高そう。しかも、どれだけ、スタミナをつけろ、というのだろうか・・・・

というようなことが、次々と思いだされた。
彼はその後難しい政局を向かえ、電話をくれた友人に言わせると、
(これまでのやつらに比べると)あまりに小額な汚職事件であったけど、彼を卑下する世論に
耐えられなくなったのだろう、とのことだった。
汚職を必要悪とするか、撲滅する対象かは難しいところだが、
東アジアの民主主義のイコンが、このような最後を終えたことにがっかりした。
(それに比べ、日本の政治家たちの図太いことよ。比べてもはじまらんが)

とにもかくにも、一時代を築いたご近所さんに合掌。

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