今朝は、人権運動家の代表に聞き取りをした。最近、先住民という意味のアディヴァシの人々の暮らしをもっと知りたくなったのがきっかけである。クリチャヤスとは結構仲良くなって、大分内部事情に明るくなってきたが、村にいる他のアディヴァシの人々とはまだまだ友達というわけではない。前よりは、警戒心を解いてくれて、向こうから話してくることも増えたには増えた。
キリスト教徒からみるアディヴァシ像は、怠け者、不潔、アル中、教育を受けていない…などとネガティブなものばかり。現在多くの人が、土地なしの農業労働者だが、口コミだと、彼らはもとからBounded Laborという。もちろん、「もとから」などという情報を当てにしては、いけないのでいろいろ調べ始めたわけである。調査のテーマに直接的には関係ないかもしれないが、村のことは何でもかんでも知っておきたい。
今日会ったのは、アディバシの人々が法的手続きを必要とした時、支援などをする団体の代表だった。彼自身も弁護士だという。30分程度の話合いでわかったことは、やはり土地なし農業労働者というのも、歴史的に作られたものであることだ。(もちろん、彼の情報だけもまた、信用してはいけないが、こっちの方が理にかなった話に思える)狩猟収集民で、季節ごとに森を移り暮らしていたのが、ワヤナッド県にいるアディヴァシの人々。この生活圏が侵され始めた第一段階が、イギリスの植民地。開墾、プランテーションの始まりでもある。そして、やはりキリスト教徒移民の流入。これで、一気に森は減り、彼らの生活ががらりと変わってしまった。
というところまでは、前々からなんとなく知っていたが、ここに酒文化が関係しているというのが、初耳だった。ケーララは酒の取り締まりが厳しい。他州よりも高い関税が付けられ、販売網も政府の運営する酒店に限られている。多くのアディバシのコミュニティーでは、ハーブ、ココナッツ、米などから地酒を作っていて、儀礼には欠かせないものだった。しかし、地酒づくりも厳しく禁止されている。これにより、現金収入が必要になり、農業労働者にならざるを得なくなったという。それに、最近では、隣のカルナータカ州から日雇い労働者を集める業者がトラックで来るようだ。ケーララにほど近いカルナータカ州の一部には、ケーララの金持ちたちが、バナナや生姜プランテーションを経営している。ここに駆り出されているようだ。しかも、労働者を募集する際に、経営者が酒も特典につけるという(ちょっと、行ってみたい気もするが、ブラックマーケットなので危ないだろう。)これにのって行ってしまい、帰ってこなかったり、帰って来ても、プランテーションでさんざん農薬をあびたために、健康を害している人々が多いという。
もっと調べれば出てきそうだ。とにかく、一方の話だけを聞かずに、一つのことでもいろんな人から情報を集めなくてはならぬ、と、反省する。